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  • 2014.02.15

新しく教育研修担当者になられた方へ(1)

新しく研修担当者になられた方へ(1)~まずは人材開発の役割と取り巻く環境を理解する~

 

これまで人材・組織開発コンサルティングの仕事に携わり、多くの担当者に出会いました。そして、人材開発という部署に配属され、研修を担当することになったはいいが、これまでの業務と違い、何をどうすればいいのか右往左往されている方を見てきました。

そういった新しく人材開発部門で研修担当になられた方に少しでも参考になればと思い、長年この業界にいて感じたことをお伝えさせていただきます。

 

まず人材開発という仕事が組織の中で、どういう役割を担っているのかということについて認識することが重要ですので、今回はそのことについてお伝えします。経営学的には「企業が戦略目標達成するために、従業員が備えていなければならない業務遂行能力(知識、スキル、態度など)を学習することの促進・支援」というのが組織における人材開発の役割だとされています。

 

当たり前に感じる内容ですが、意外とこの内容は奥が深いです。どう深いのかについては、またの機会にお伝えするとして、まずは「企業戦略目標の実現のため」ということを頭に入れておくとよいでしょう。

 

次に、人材開発部門を取り巻く環境です。現在、人材開発部門に求められている研修は、実施することに意義があるというある意味福利厚生的な目的から、実施した研修の効果が求められる業績への貢献を目的とした研修に変化してきています。

 

この教育投資効果を求める傾向は2000年頃(ASTDで教育研修の効果測定が発表された1998年以降)から注目されるようになり、近年多くの人材開発のご担当者から「経営トップから研修効果について問われ、その対応に困っている」という声をよく伺います。

経営環境が厳しくなる中、企業は徹底した合理化を進めており、人材開発部門においても例外ではなく、部門が提供する価値をいかに自社の経営に貢献しているかということを経営トップ、現場といった社内の関係者(経営トップ、現場)に説明していかなければ、部門の存在価値が危ぶまれるようになっています。

 

経営トップをはじめとする社内の関係者に対し、人材開発部門の存在価値をアピールしていくには、今まで以上に人材開発業務の価値を提供していく必要があります。そのためには、どのような形で「自社の企業戦略目標の実現に貢献するのか」を考え、その実現のために「どのような教育研修を提供するのか」を常に考え、業務を遂行していくことが教育研修担当者としての役割を果たす上で重要だと思います。tantousya

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