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  • 2014.03.24

新しく教育研修担当者になられた方へ(5)

新しく教育研修担当者になられた方へ(5)

~人材開発の業務【教育研修実施運営編:教育研修当日に向けての準備】を理解する~

 

前回は、(1)事前準備段階における②関係者(受講生、職場上司、経営層など)への連絡についてお伝えしました。

今回は、③教育研修当日に向けての準備(会場手配、使用機材、テキスト資料など)についてお伝えさせていただきます。

 

まず、教育研修日が決まったら、会場を手配します。場合によっては、会場を確認してから教育研修日を決定することもあります。年に数回は、教育研修日程が決まった後に、会場が押さえられなかったという理由で、教育研修日程の変更を依頼されることがありますので、「まずは会場を押さえる」ということを念頭に置きましょう。

 

次に会場の広さですが、教育研修の進め方により異なります。講演など話を聞く場合だけでしたらスクール形式だけでいけますので、比較的多くの人数を収容することができますが、グループ討議などを採り入れる場合、島形式などが必要になりますので、スクール形式だけの場合より、少し広めのスペースの会場を手配します。ちなみに近年は、グループ討議なしの教育研修というのは珍しいので、大は小を兼ねるではありませんが、グループ討議を前提とした会場を確保しておくと問題ないと思います。

 

教育研修開始時の机のレイアウトについては、講師に確認します。最近の傾向としては、最初から島形式でグループ別に着席するという講師が多くなっていますが、講師によりやり方が違いますので、確認した方がいいでしょう。

 

また、社外で会場を手配する際は、立地場所、施設・設備、サービス、料金といった面から自社のニーズに合う会場を選定します。

 

立地場所は、教育研修目的により、日常生活から隔離し、教育研修に集中させたい場合でしたら郊外、受講生がアクセスしやすいのを優先するなら都市部といった基準で選ぶことが多いように思います。昔は慰労の意味を含めた教育研修で、温泉などがある郊外の会場で夜は宴会といったことがありましたが、最近ではそういった形での教育研修はあまり聞かなくなっています。

 

施設・設備は、①宿泊が必要ならそれに対応しているか、②教室内の空調、照明、周囲がうるさくないか、最近ではプロジェクタが使用できるか、③コピー機や映像機器が使用できるかなどの条件などをクリアしているかを確認します。

 

サービスは、受付の対応、食事関係などです。教育研修での食事は衛生要因(良くても満足度は高まらないが、悪ければ不満度が高くなる)ですので、内容を確認し、一定以上のレベルのものを提供することをお勧めします。かつて企業が会場を手配した宿泊教育研修で、ご飯が美味しくなく、受講生が「この教育研修はペナルティ教育研修だ」と話していたことがあります。教育研修期間中の楽しみは少ないので、豪華にとは言いませんが、食事の内容には留意した方がいいです。

 

使用機材については、先述しましたが、最近ではプロジェクタを使って進める講師が多くなったので、プロジェクタとスクリーンが使用できるか、あとノートパソコンは講師が持参するかどうかを確認しておく必要があります。通常は、ノートパソコンだけ講師が持参し、プロジェクタ及び接続ケーブルは会場側で手配することが多いように思います。

 

最後に、教育研修で使用するテキスト資料ですが、テキストは当日朝に配布することが多いですが、事前に受講生に目を通してもらうのかを確認しておきます。事前に目を通させた方が、教育研修効果が上がるだろうと勝手に判断して、事前にテキストを受講生に配布するのはやめた方がいいです。講師は、テキストを見ていないということを前提として解説をしますので、そのことを知らずにいると、必要以上に詳しく説明しすぎてしまい、受講生との間に変なギャップが生じてしまう恐れがあるからです。事前に目を通させたいと感じた時はそのことを講師に相談するようにした方がいいです。

 

事前課題がある場合についても、事前に提出してもらうのか、それとも当日持参でいいのかを確認します。事前課題の場合は、事前に提出してもらい、書いている内容を講師や教育研修会社の担当に見てもらった方が受講生をイメージしてもらいやすく、教育研修にいい面で反映されることが多いのでお勧めします。ただし、すべての講師、教育研修会社の担当が事前課題を活用しているとは言えませんので、事前課題の提出についても確認してください。

tantousya

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