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  • 2014.01.09

学習レディネス~受講生は学ぶ必要性を感じている?

さて、今回は、教育研修を効果的に学んでもらうために改めて重要と感じたことについてお話しします。

 

昨年数回にわたり、営業管理者を対象に管理者としての役割、営業プロセスの標準化、マネジメント手法などについて、これまでの行動を振り返り、また受講生同士での情報交換を進め、あるべき姿を模索していくといった形での教育研修をお手伝いしました。

 

これまでそういった機会がなく、自己流でマネジメントしてきたせいか、今回の教育研修の場がすごく刺激的になっているようです。(ちなみに、はじめは参加することにすごく嫌悪感を抱いていましたが。。)

 

その中で、その企業が担当するセッション(財務諸表分析)で、テスト結果が全体的に低い点数ということがありました。

 

セッションの目的としては、営業管理者として与信管理ができるようになるといったことがあるのですが、どうもその目的だけでは納得していなかったようです。

 

というのも休憩中に、担当者が受講生にその件について話を聞いているとある受講生が、「財務諸表がない取引先がたくさんある」「覚えていなくても、必要な時にテキストを見て計算すればいい」といったことを話していました。

 

つまり、財務諸表の分析方法を覚えなくても今の業務には支障がないと思っており、学ぶ必要性をさほど感じていないようでした。

 

その話を聞いて、担当者は愕然としていました。財務分析は与信管理だけでなく、これから経営幹部になって自社の経営判断などで必要になっていくのに、その必要性がわかっていないと。。

 

後に、テストの結果が悪い原因が分かった担当者は教育研修終了時に、財務分析の講習をする理由を再度伝え、次回に再度テストをすると言ってその回の教育研修を締めました。

 

この企業だけでなく、どこの企業でも受講生はどうしても目の前の業務に役立つことばかりを学習し、それ以外は受け付けないといった行動に走りがちです。

 

年々忙しくなる業務環境の中で、ある意味当然の反応と言えるでしょう。

 

今回の教訓は、受講生に学んでもらいたいなら、その目的をしっかりと理解してもらう必要があるということです。

 

単に内容を伝えても、それを学習する目的が受け入れられなければ、入ってきた内容は、右から左へと流されてしまいます。

 

成人教育学者マルカム・ノールズは、成人は現実生活の課題や問題を解決する必要性を感じた時になって、はじめて学習すると言っています。このことを胸に、成人教育者は、学ぶ内容は学習者に関係があり、役に立つものであるということを認識してもらうことが学習のスタートとなります。

 

改めて、受講生に学習の必要性を感じてもらうという学習レディネスの重要性を感じた出来事でした。

やる気スイッチ

それでは、また。

 

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