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  • 2014.03.17

新しく教育研修担当者になられた方へ(4)

新しく教育研修担当者になられた方へ(4)

~人材開発の業務【教育研修実施運営編:関係者への連絡】を理解する~

 

前回は、(1)事前準備段階における①受講生の選定方式の決定についてお伝えしました。

今回は、②関係者(受講生、職場上司、経営層など)への連絡についてお伝えします。

 

②関係者(職場上司、受講生、経営層など)への連絡

関係者への連絡について、連絡する対象としては、大きく「職場上司、受講生」と「経営層」に分かれます。「職場上司、受講生」に対しては、実施する教育研修についての概要を理解していただくことを目的に、「経営層」には、教育研修実施の理解を深めていただくのに加え、教育研修開始時に講話を依頼する場合などに行います。

 

まず、職場上司、受講生に対してですが、教育研修案内は直接受講生にするのではなく、受講生の上司を通してするのが基本です。理由は、受講生の上司が教育研修内容を把握し、受講生に対して受講目的などをしっかりと説明し、教育研修受講のモチベーションを上げていただくためです。

 

上司の説明如何により、受講生の教育研修受講への姿勢は大きく左右されます。また、ここがポイントですが、教育研修は受講して終わりというわけではありません。学んだことを受講後に活かすことが大事です。教育研修後、上司が教育研修内容を理解しておくことで、受講生が学んだことを職場で実践する際に協力していただくことが期待できます。学んだことの実践、ひいては受講生の成長は上司の存在が大きく影響します。そういった意味からも、受講生の上司を通じて、教育研修の受講案内を送付することをお勧めします。

 

案内する内容としては、教育研修実施の目的、実施日、時間、会場、参加対象、講師、カリキュラム、事前に課題があればその内容を最低限記載し、さらにこの教育研修内容を習得するとどういったいいことがあるのかといった受講メリットなども記載しておくといいと思います。

 

教育研修案内は、ビジネス文書を基本とし、要点だけ簡潔に記載するという方針のところが多いと思います。また、必要以上のことを教育研修案内に書くと、誤解を招く可能性があるのでその方がいいという考えもあるかと思いますが、私は受講生及び上司に対して、教育研修受講の意義を感じてもらえるように、できるだけ詳細に記載することをお勧めします。もし、決まったフォーマットでなければならなければ、添付資料として補足してもいいかと思います。

 

最後に、案内する時期ですが、受講生及び職場のシフトなどのスケジュールを調整する必要がありますので、早くて2ヶ月前、遅くても1ヶ月前には連絡するようにします。管理者の場合は、スケジュールの調整が難しいので早い方がいいでしょう。

 

次に経営層に対してですが、教育研修開始時に講話などをしていただくと、受講生は「経営層がわざわざ時間を割いて話をしてくれた。期待されている」と感じ、モチベーションが上がることが多いので経営層の方で都合が合うようでしたら是非お願いすることをお勧めします。

 

その際、実施する教育研修内容に見合ったポジションまた見合った話ができる方に依頼するように留意する必要があります。例えば、営業教育研修で新規開拓をテーマとした教育研修を実施する場合に、いくら社内で地位の高い人といっても、生産部門のトップの方では、受講生の胸に刺さる話をするのは難しいと思われます。また、営業部門のトップの方でも教育研修内容(ここでは新規開拓)と関係のない話をされては、これから受講する教育研修の意義を感じなくなります。

 

また、よく見かけるのが、会社の業況、戦略で話が終わってしまい、教育研修受講の動機づけまでに至らないケースです。講話を依頼する目的は「経営層から教育研修目的の必要性を認識させる」ことです。経営層に時間を割いていただく上に講話の内容まで依頼するのは恐れ多いと思われるかもしれませんが、依頼する目的をしっかりと伝え、受講生を動機づけしていただくようにしましょう。ちなみに、動機づけどころか逆に叱咤してムードが悪くなるケースもあり、教育研修運営にとってマイナスとなるケースに遭遇することもあります。

 

このように経営層に実施している教育研修運営の協力を得ることで、経営層の教育研修への理解が深まることが期待できます。(人は関与したことについては好意的になる傾向があるのです。)ですので、講話を依頼する場合以外でも経営層に実施している教育研修情報などを定期的に伝えておくことをお勧めします。

 

③教育研修当日に向けての準備(会場手配、使用機材、資料など)

(2)教育研修の実施

①会場、使用機材、資料等の管理

②事務局としての運営

tantousya

 

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