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  • 2022.11.24

ワーク・エンゲージメントと生産性(ニッセイ基礎研究所)

ワーク・エンゲージメントと生産性

要 旨
1. 従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営(R)*」の取組が浸透してきている。経済産業省では、更なる推進に向けて、健康経営の実践によって従業員の業務パフォーマンス(アブセンティーイズムやプレゼンティーイズム、ワーク・エンゲージメント)の評価等の効果を可視化していくことや、株価や業績等の環境の裏付けとあわせて、健康に関連する業務パフォーマンスヘの状況や変化についても評価・分析を進めていくことが必要であるとしている。
2. ワーク・エンゲージメントとは、仕事に関連するポジティブで充実した心理状態で、「活力」「熱意」「没頭」の3つが揃った状態として定義される。近年の健康経営では、心身の不調に対する予防だけでなく、精神的にポジティブな側面を向上させることへの注目度が高くなっており、ワーク・エンゲージメントを活性化するための取り組みを行いはじめている。
3. 本稿では、アンケート調査の結果から、ワーク・エンゲージメントと生産性の関係を分析した。更にストレスが高い状態や仕事に没頭しすぎている状態との関係も確認した。
4. その結果、ワーク・エンゲージメントが高い人は、高いパフォーマンスで働けていると認識していた。しかし、過度なストレスや、仕事に没頭しすぎる人は、生産性が低かった。更に 3 年間でワーク・エンゲージメントが上がった人は、生産性も上がっていた。また、 3 年間で過度なストレスが発生していたり、仕事に没頭しすぎる状態が発生していると、やはり生産性が下がっていた。ただし、今回の分析では、ワーク・エンゲージメントと生産性に相関があることは確認したが、因果関係はわからない。
5. 企業が、各種取り組みでワーク・エンゲージメントを高めることで、本人の生産性向上だけでなく、職場に活気をもたらす可能性が期待できる。
6. 一方で、自分自身の生産性が上がったと認識することによって、ワーク・エンゲージメントが高まったり、ストレスが軽減される可能性もある。ワーク・エンゲージメント向上に向けた取り組みを行うと同時に、従業員が自分自身でパフォーマンスの向上や悪化を判断できるよう、従業員に求める役割や業務量について、企業と各従業員が共有することが重要だろう。

(以上原文引用※詳細はタイトルをクリックしてください)

2022.11.21 ニッセイ基礎研究所

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