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  • 2017.08.30

第2回 女性管理職意識調査(日本経営協会)

第2回 女性管理職意識調査

調査結果概要

<<個人調査結果>>
※以下において女性の管理職と管理職候補を合せて示す時は「女性管理職」と略記します。
ただし、それぞれを個別に取りあげるときは「管理職」と「管理職候補」と表記します。

◎女性管理職の家事分担割合(時間)は依然として多く、配偶者がいる場合では家事の6割以上を女性が行っている。また、小学校就学前の子供と同居している人の家事分担割合が高くなっているが、このようなケースは30代以下に多くみられる。なお、親と同居する場合の家事分担は4割と少なく、親との同居が家事分担を軽減している。

◎女性管理職が働き続けるためには、休暇や勤務時間等の柔軟性によってワーク・ライフ・バランスを保つことと、金銭報酬が重要であると考えている。

◎女性管理職のワーク・ライフ・バランスの状況は、男性管理職に比べると良好とは言えない。このため男性管理職以上に、「タイムマネジメントをきっちり行うこと」「仕事を自分一人で抱え込まないこと」「有給休暇を計画的に取得(消化)すること」など時間の使い方を工夫してワーク・ライフ・バランスを保っている。

◎管理職になることについて、管理職候補者は管理職に比べてポジティブな回答の比率が低い。管理職候補は管理職となることのメリットを想像しにくいと考えられる。

◎仕事上の問題・悩みとして44.8%が「部署の人材が不足している」と回答している。年代が若いほど多くの悩みを抱えている一方、おり、部署内の人間関係やチームワークに問題や悩みを抱えている女性管理職は、仕事や立場等への満足度が低いという結果も出ている。

◎前回調査(平成26年)と比較すると、社(団体)内における昇進(昇任)や転職を希望する人が増え、現状維持や独立・自営を希望する人は減った。女性活躍推進や働き方改革等の影響と考えられる。

◎ロールモデルが「社(団体)内にいる」と回答した人は社(団体)内での出世を望み、「社(団体)外にいる」と回答した人はキャリアアップのための転職や独立・自営を望んでいる。ロールモデルの存在とワークライフやキャリアプランとの間には明確な関連性が見られた。

◎3人に1人が「女性活躍推進」について良い方向へ変化したと感じる一方で、「変化なし」が53.5%で半数以上を占めており、「女性活躍推進」については現段階では変化を感じていない人の方が多数。従業員規模では女性活躍の情報公表が義務付けられている301人以上の企業(団体)や、業種別では民間企業等よりも行政・自治体の方が、それぞれ良い方向へ変化したと回答する人が多い結果となった。

<<組織調査結果>>
◎ここ5年間で女性の社会進出はさらに進み、女性管理職は引き続き増加傾向にある。

◎女性の管理職への登用について、3社(団体)中2社(団体)は増やす意向があると回答している。また、前回調査と比較すると、「未定、わからない」が10.2ポイント減り、「増やしたいと考えており、具体的な数値目標も持っている」が8.0ポイント増えた。女性管理職登用に対する方向性と目標は前回調査時(3年前)に比べて一層明確になったと言える。

◎「女性活躍推進」に取り組んでいる企業(団体)のうち、約7割の企業(団体)が女性活躍推進は「進んだ」「多少進んだ」と回答した。ただし、従業員数300人以下と301人以上では女性活躍に関する情報公表義務の有無による差が表れている。

◎「女性活躍推進」に主に期待することは、
①女性社(職)員のモチベーションや自律性の向上効果
②多様性の創出や風通しが良くなるといった組織風土の改善効果の2点。

◎女性管理職の登用を進める上での主な問題点は、
①これまで女性を管理職候補として採用・育成・登用してこなかったことに起因する問題
②男性と女性それぞれの意識の問題(男性の意識改革不足と女性の意欲不足)の2点がある。

<<個人調査と組織調査結果の比較>>
◎女性管理職は、企業(団体)が考えている以上に収入や仕事の面白み、時間や精神的な余裕を持って仕事をすることを重視している。

◎企業(団体)は、女性が組織で働く上で育児や介護等が障害であると捉えがちだが、女性管理職は育児・介護と仕事を両立するための休暇の取りやすさや給与額に障害(問題)があると感じている。

◎女性管理職は企業(団体)が考える以上に、優秀な上司や部下、あるいはプロジェクトなどで他部署や社外の優秀な人材と一緒に仕事をすることをモチベーション要因と考えている。

◎企業(団体)は、経済面で安定した生活を保障してくれる企業(団体)が女性管理職にとって働きやすい企業(団体)の要件であることを認識する必要がある。

◎企業(団体)側が評価するほど、女性管理職自身は「女性活躍推進」が進んでいるとは感じていない。一方「女性活躍推進」が進んだ点として、企業(団体)は女性の採用増をトップに挙げているが、女性管理職では女性の管理職への登用増がトップになっている。この2項目については両者の間に差がはっきりと表れた。

◎企業(団体)が女性管理職に求める能力・資質は「指導力(リーダーシップ)」「管理統率力(マネジメント力)」「行動力」「コミュニケーション力」で、女性管理職との間にギャップは余りない。

(以上原文引用※詳細はタイトルをクリックしてください)

2017.8.30 日本経営協会

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