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  • 2019.01.22

若手・中堅社員の転職意向実態調査(リクルートマネジメントソリューションズ)

若手・中堅社員の転職意向実態調査

調査結果サマリー

今回の調査では、「転職を考える前の仕事や会社に満足していたか・成果を上げていたか」についての9項目を「転職前の適応度」として尺度化し、仕事や会社への満足感や貢献感が低い群を「低適応群」、高い群を「高適応群」に分けて傾向を考察しました。

●転職を考えた理由
・低適応群では、「会社の将来に不安を感じた(41.3%、高適応群より+9.9)」の選択率が最も多く、「会社の経営方針や方向性に疑問を感じた(39.5%、同+14.0)」「担当している業務に意義を感じられなかった(35.5%、同+20.9)」がそれに続きました。
・高適応群では、「仕事の領域を広げたかった(42.7%、低適応群より+16.6)」が最も多く、「生活の変化に応じて働き方を見直したかった(35.6%、同+14.9)」がそれに続きました。
⇒同じ転職を考えた理由といっても低適応群と高適応群では違いが見られ、さらに、高適応群のなかでも
男女には傾向に差があり、男性は「仕事の領域を広げたかった(48.5%)」が約5割と多く(女性は38.7%)、女性は「生活の変化に応じて働き方を見直したかった(43.7%)」が最も選択率が高い(男性は23.7%)結果となりました。

●転職前後の会社・職種
・調査対象の515名のうち、入社4年目以降に転職した412名の転職前後の会社・職種について調査したところ、従業員規模については、転職後に最も多いのは300名未満の企業(36.7%)で、300名以上企業の割合は減少していました。
・企業のライフサイクルステージでは、抜本的な事業・組織再編が進行する衰退ステージの企業からは人が流出し、中途人材ニーズの高い成長ステージ(マーケットと組織を一気に拡大する時期)、成熟ステージ(新規事業など新たな事業展開を模索する時期)の企業への流入が多く、社会全体として見ると健全な移動が生じていることが明らかになりました。
・職種としては、事務・スタッフ職、技術・開発職では転職後も職種が変わらない割合が高いものの(いずれも4分の3程度)、営業や販売・サービス職では半数程度にとどまりました。その結果、全体で見ると、転職を経て営業、販売・サービスの合計が43.0%から29.6%に減少、事務・スタッフが22.6%から32.5%と増加し、最も多い結果となりました。

●転職の満足度
・「転職してよかったと思うか」について、6件法(1点「まったくそう思わない」~6点「とてもそう思う」)で尋ねたところ、の回答結果の全体平均は4.99で、「とてもそう思う」「そう思う」の割合が72.8%、「ややそう思う」まで含めると9割を超え、転職の満足度は総じて高いことが明らかになりました。また、女性は男性よりも満足度が高い傾向にありました。
・転職後の企業のライフサイクルステージが成長ステージの企業に転職した人の満足度は、他のステージに転職した人と比べて高い傾向がありました。
・転職意向を弱めるのに意味がない、あるいは転職の意思を強めることになった会社や上司からの働きかけについては、高適応群の記述回答から、会社本位・上司本位と捉えられる働きかけや見当違いの提案は、転職を後押ししてしまうことが感じられました。

●転職しなかった理由
・調査対象の515名のうち、転職をしなかった103名に「転職しなかった理由」について調査したところ、「条件が合わなかった」「採用されなかった」が多く選択されましたが、「会社や上司、職場から引き止められた」「不満のあった状況が改善された」「自分の考え方が変わった」といった、企業によるリテンションのチャンスが感じられる項目も2割前後選択されました。
・転職を思いとどまったきっかけや出来事については、改めて本人への期待を伝えたり、やりがいのある仕事を与えたりすることで、転職意向を抑えられることも確認できました。
・一方で、「1、2年待ってみよう」「将来的にもっと良いところに行きたい」というように、一時的な転職保留をしたにすぎず、常により良い転職のチャンスを狙っている様子もあり、リテンションの限界も感じられました。

●仕事の動機
・仕事の動機として重要なものを、13項目から3つまで選んでもらったところ、上位4項目は順に「仕事のやりがい」「高い給与」「社内の人間関係の良さ」「自分の成長の実感」という結果となりました。
・本調査の対象である若手・中堅社員と300名以上企業の人事担当管理職を比較すると、4項目の順番は同じでしたが、「仕事のやりがい」は人事担当管理職の67.3%に対して若手・中堅は52.2%と少なめ、「社内の人間関係の良さ」は人事担当管理職の22.6%に対して若手・中堅では43.3%と多めで、「高い給与」も人事担当管理職よりも若手・中堅は高い傾向が見られました。

(以上原文引用※詳細はタイトルをクリックしてください)

2019.1.17  リクルートマネジメントソリューションズ

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